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BLE vs UWB徹底比較:開発現場で選ばれるのはどっち?精度・消費電力・コストで見る通信技術ガイド

2025年10月8日2025年11月11日
BLE UWB
目次
  1. BLEとUWBとは何か?|IoT向け無線通信の基礎を解説
    1. BLE(Bluetooth Low Energy)とは
    2. UWB(Ultra-Wideband)とは
    3. BLEとUWBの技術的な違いを簡単に整理
  2. 実際のユースケースに見るBLEとUWBの使われ方
    1. BLEの活用事例|ビーコン、IoTデバイス、ウェアラブル、家電連携など
    2. UWBの活用事例|屋内測位、スマートキー、ロボット誘導など
    3. ユースケース別の選択傾向
  3. BLEとUWBを技術比較|精度・消費電力・通信距離・コストの違い
    1. 精度・消費電力・通信距離・リアルタイム性
    2. コスト・チップサイズ・開発リソース
    3. 対応デバイス・市場普及度
  4. 選定ガイドライン|どちらを選ぶべきか?
    1. BLEが適している開発条件とは?
    2. UWBが適している開発条件とは?
    3. BLE+UWBのハイブリッド運用という選択肢
  5. まとめ|製品開発で失敗しないための選定ポイントリスト
    1. BLEまたはUWBを選定するためのポイントリスト
    2. モジュール選定・認証対応・量産時の注意点
    3. USEのUSE0Xシリーズや技術支援の活用
    4. おわりに

  近年、製品開発の現場において「BLE(Bluetooth Low Energy)」と「UWB(Ultra-Wideband)」という2つの無線通信技術が注目を集めています。どちらも低消費電力・高精度な通信が求められるIoT機器やスマートデバイスでの利用が進んでおり、その技術的特性やユースケースに応じた最適な選定が開発現場で重要な判断ポイントとなっています。本記事では、BLEとUWBの基本技術から応用事例、性能比較、さらには選定ガイドラインまでを徹底的に解説。製品要件に応じてどちらを選ぶべきかを明確にし、開発者が通信方式の選定で失敗しないための技術的視点を提供します。

BLEとUWBとは何か?|IoT向け無線通信の基礎を解説

BLE(Bluetooth Low Energy)とUWB(Ultra-Wideband)は、いずれも製品開発において注目される無線通信技術です。本章では、それぞれの基本的な仕組みと特性を簡潔に紹介します。

BLE(Bluetooth Low Energy)とは

BLEは、省電力性に優れたBluetoothの拡張規格で、2.4GHz帯を使用し、IoT機器やウェアラブル端末で広く使われています。通信速度は最大2Mbps(Bluetooth 5以降)、通信距離は数十メートル程度です。

短時間の「間欠通信」でバッテリー消費を抑えつつ、GATTプロファイルを通じた柔軟なデータ通信を実現します。低価格かつ小型モジュールが豊富に流通しており、スマートフォンとの高い互換性もBLEの大きな強みです。

UWB(Ultra-Wideband)とは

UWBは、3.1〜10.6GHz帯を使う広帯域通信技術で、センチメートル単位の高精度測位や強力な干渉耐性を特長とします。短距離通信ながら高速・高精度で、工場や倉庫、スマートキーなどに利用されています。

IEEE 802.15.4z規格に準拠し、安全性の高い測距が可能ですが、BLEに比べると消費電力は高めで、対応機器や開発環境は限定的です。ただし、Apple U1チップの採用などにより、今後の拡大が期待されています。

なお、Bluetooth 6.0でも「チャネルサウンディング」によって高精度測距が実現しつつあります。
☞ Bluetooth 6.0のチャネルサウンディング解説はこちら

BLEとUWBの技術的な違いを簡単に整理

ここでは、BLEとUWBの技術的な特性を表形式で比較し、両者の違いを直感的に理解できるように整理します。

比較項目BLE(Bluetooth Low Energy)UWB(Ultra-wideband)
周波数帯2.4GHz ISMバンド3.1〜10.6GHz
通信距離数十メートル(最大100m程度)約10〜30m
通信速度最大1〜2Mbps(Bluetooth 5.0以降)110kbps〜27Mbps
測位精度数メートル〜数十センチ数センチメートル
消費電力非常に低い中程度(用途により高め)
チップコスト安価(量産で数百円〜)高価(数千円〜)
対応デバイススマホ、IoT、家電など幅広い一部スマホと産業用途に限定
干渉耐性Wi-Fiや他Bluetooth機器との干渉あり干渉に強い
アンテナ構成単純な構成でアンテナ実装可能多数のアンテナが必要な場合がある
適用 プロトコルGATT、ATT、L2CAPなどIEEE 802.15.4z

この章では、BLEとUWBの基本的な違いを技術面から俯瞰しました。次章では、それぞれの技術が実際にどのような場面で使われているのか、ユースケースに焦点を当てて解説していきます。

実際のユースケースに見るBLEとUWBの使われ方

BLEとUWBは、それぞれの特性に応じてさまざまな場面で活用されています。本章では、代表的なユースケースを紹介しながら、どのような業界や製品で採用されているかを解説します。あわせて、それぞれの通信技術が持つ強みがどのように活かされているかにも注目していきます。

BLEの活用事例|ビーコン、IoTデバイス、ウェアラブル、家電連携など

BLEはその低消費電力性とコストパフォーマンスの高さ、スマートフォン互換性から、IoT機器・ウェアラブルデバイス・スマート家電など非常に広範な分野で利用されています。とりわけ代表的な事例として挙げられるのが、ビーコン端末を用いた位置情報通知やIoTデバイスの制御です。

たとえば、商業施設や博物館などではBLEビーコンを設置し、来場者のスマートフォンに通知を送ったり、位置に応じたガイド情報を表示したりするサービスが普及しています。また、BLEはスマートウォッチやフィットネストラッカーといったウェアラブルデバイスにも不可欠で、バッテリー駆動時間を延ばしつつスマホと連携したデータ同期を可能にしています。

家庭向けIoT機器においてもBLEの活用は顕著で、冷蔵庫やエアコン、スマートロックといった家電製品がスマホからの操作に対応しており、その多くがBLE通信を採用しています。BLEのモジュールは小型で安価なため、製品組み込みも容易で、設計段階から低コスト化を図りやすいというメリットもあります。

UWBの活用事例|屋内測位、スマートキー、ロボット誘導など

UWBは、高精度な位置測定を要するアプリケーションに最適化された技術で、特に「リアルタイムかつセンチメートル単位の測位」が必要とされる現場で力を発揮しています。

具体例として注目されるのが、Appleの「AirTag」やiPhoneに搭載されているU1チップです。これらはUWBを活用し、デバイスの正確な方向と距離を測定することで、「探す」アプリでの精密な位置特定が可能になっています。これにより、障害物の多い屋内でも人やモノの位置をリアルタイムに把握できます。

また、自動車業界でもUWBは注目されており、スマートキーとしての用途が拡大中です。UWBにより、ドライバーが車に近づくと精密に位置を特定し、自動解錠する技術が実用化されています。これは従来のRFIDベースのスマートキーと比べてセキュリティ性が高く、リレーアタック対策としても有効です。

さらに、製造業や物流現場では、UWBを搭載したロボットやAGV(自動搬送車)が活躍しています。UWBタグとアンカーデバイスを組み合わせることで、リアルタイムかつ正確な位置把握が可能となり、効率的な搬送や在庫管理が実現されつつあります。

ユースケース別の選択傾向

BLEとUWBはいずれも優れた無線通信技術ですが、それぞれが得意とするユースケースには明確な違いがあります。BLEは、低消費電力かつスマートフォンとの親和性が高いため、「バッテリー駆動の小型デバイス」や「スマホと連携するIoT機器」に適しています。通信が断続的かつ少量データで済む場合には最適です。

一方、UWBは「センチメートル単位の高精度な測位」が求められる場面に向いています。工場のAGV制御、倉庫での在庫管理、スポーツ選手の位置トラッキング、安全管理など、高度な空間認識が必要なケースではBLEよりもUWBが優勢です。

このように、「何を重視するか(精度・消費電力・デバイス連携など)」によって、選択すべき通信技術は大きく異なります。次章では、それらの要素を技術的に詳細比較し、選定に必要な判断材料を提供していきます。

BLEとUWBを技術比較|精度・消費電力・通信距離・コストの違い

BLEとUWBの特性を正確に把握することは、最適な通信方式を選ぶ上で欠かせません。ここでは、「精度」「消費電力」「通信距離」「コスト」など主要項目を比較し、それぞれの優位性を整理します。

精度・消費電力・通信距離・リアルタイム性

BLEはRSSI(受信信号強度)に基づく測位で、数メートル程度の精度が一般的で、環境によって数メートルから10メートル以上の誤差が生じることもあります。また、専用のAoA(Time Difference of Arrival)対応アンテナアレイと受信チップを使うことで、30cm〜1mの精度で測位が可能です。

☞BLEでも角度推定技術(AoA/AoD)により、より高精度な測位を目指す手法があります。 Bluetooth 5.xの革新技術AoA・AoDとは?角度推定による測位革命とその課題を徹底解説

一方UWBはToF(Time of Flight)やAoAを活用することで、数センチ単位の高精度測位が可能です。

消費電力ではBLEが有利で、間欠通信によって長時間のバッテリー駆動が可能です。UWBは短時間のパルス通信を用いるため、瞬間的な電力は高くなるものの、動作頻度やスリープ制御により消費電力を抑えることも可能です。常時測位を行う用途ではBLEより電力負荷が高くなる傾向があります。

通信距離はBLEが最大100m前後、UWBは、環境やアンテナ構成により異なりますが、一般的には屋内で10〜20m程度、屋外では最大30m以上に達する場合もあります。リアルタイム性に関しては、UWBは10Hz〜100Hz以上の高頻度で位置情報を更新できるため、リアルタイム性が求められるロボット制御や人物追跡に適しています。ToF(Time of Flight)を用いた測位では、応答遅延が数ミリ秒〜十数ミリ秒程度に抑えられるため、移動体の動きに対して即時に反応できるのが特長です。

一方、BLEは通信間隔がデバイス設定に依存し、数百ミリ秒から数秒単位になることもあるため、リアルタイム制御には不向きです。特に連続的な動きのある対象のトラッキングや、瞬時の位置変化への追従を要する用途では、更新頻度や遅延面で限界があります。(通信間隔設定により100ミリ秒未満での実現は可能です。)

UWBはこのようなシビアな要求に対応できるため、自律走行ロボット、ドローン、スポーツ選手のトラッキング、AR/VR連携など、高速な反応と精密な位置同期が必要なシステムで採用が進んでいます。

コスト・チップサイズ・開発リソース

BLEは、モジュールの価格が安価で、チップサイズも小型なため、量産に適しています。また、開発ツールやドキュメントが豊富で、開発キットも入手しやすく、初学者でも扱いやすい環境が整っているのが大きな強みです。加えて、BLEモジュールが「技適(日本)やFCC(米国)」などの無線認証をすでに取得済みであり、かつ、モジュールの使用条件を満たした組み込み方をしている場合には、最終製品としての再認証は不要となることが一般的です。

 一方でUWBは、チップ単価が高めであり、アンテナ設計の自由度が高い反面、無線特性の最適化や空間配置に関する知識が求められます。さらに、UWBを使用するにはチップやモジュール自体の認証(例:技適、FCC等)に加え、最終製品としての無線認証も別途取得する必要があります。これにより、製品開発時のリードタイムや設計・評価に関わる工数が増す傾向があります。

 ただし近年は、QorvoやNXP、DecawaveなどのベンダーからUWB対応のSDKや評価ボード、リファレンス設計が提供されており、開発リソースの充実が進んでいます。また、国内でもモジュールベンダーによる技術支援が整備されつつあるため、適切なパートナー選びによって導入ハードルは着実に下がりつつあります。

対応デバイス・市場普及度

BLEはスマートフォンを中心に普及が進んでおり、iOSやAndroidでの標準対応が大きな強みです。アプリ連携やユーザー展開のしやすさは非常に高いです。

UWBは対応端末が一部に限られており、普及は限定的ですが、B2B領域を中心に導入が進んでいます。特に位置測位が重視される現場では、今後の需要拡大が期待されています。

以下に主要比較ポイントを再整理した一覧表を掲載します。

比較項目BLE(Bluetooth Low Energy)UWB(Ultra-Wideband)
測位精度数メートル〜数十センチ数センチメートル
消費電力非常に低い中〜やや高め
通信距離数十メートル(最大100m程度)約10〜30m
リアルタイム性通信間隔による遅延あり高速測位とリアルタイム制御に強い
チップコスト安価(量産で数百円〜)高価(数千円〜)
開発キットの 入手性豊富でサポートも充実限定的だが徐々に整備中
無線認証取得 の難易度比較的容易調整や手続きにやや負担あり
対応デバイススマホ、IoT、家電など幅広い一部スマホと産業用途に限定
市場普及度非常に高い普及途上

この比較から、BLEとUWBがそれぞれ異なる強みを持つことが明確になります。次章では、実際の開発現場で「どちらを選ぶべきか?」という選定指針について詳しく解説します。

選定ガイドライン|どちらを選ぶべきか?

BLEとUWB、それぞれの特性やユースケースを理解した上で、開発条件に最適な通信方式を選定することが重要です。本章では、開発の要件別にBLEとUWBそれぞれが適している条件を整理し、最後に両者を組み合わせるハイブリッド運用の可能性についても解説します。

BLEが適している開発条件とは?

BLEは、次のような条件を満たすプロジェクトに非常に適しています。

1,小型デバイスの開発が前提となっている場合

 BLEモジュールは非常に小型化されており、ウェアラブル端末やセンサーノードなど、スペースに制約のある製品への実装が容易です。

2,バッテリー駆動が前提で、電力消費を最小限に抑えたい場合

 長期的にバッテリー駆動する必要がある製品(例:スマートタグ、温湿度センサー等)では、BLEの低消費電力性が大きな強みとなります。

3,スマートフォンとの高い親和性が求められる場合

 BLEはiOSやAndroidとの互換性が非常に高いため、スマホ連携を前提とするアプリケーション(例:スマート家電、ヘルスケア機器)に最適です。

4,コストを抑えた量産設計が求められる場合

 モジュール単価が低く、開発キットや評価ボードも充実しているため、ローコストでの量産や市場投入が可能です。

これらの要件に合致する場合、BLEの採用がコスト・技術・ユーザー体験の面で最適解になることが多いです。

UWBが適している開発条件とは?

UWBは、BLEでは実現が難しい高精度測位やセキュアな通信が求められるケースで真価を発揮します。

1,高精度な空間把握が求められるアプリケーション

 数センチ単位での測位精度が必要な場面(例:ロボット誘導、在庫管理、選手トラッキング)では、UWBの測位能力が不可欠です。

2,セキュリティや正確性が重視される環境

 スマートキーやアクセス制御など、デバイスの位置が安全性に直結する用途では、UWBの距離測定精度と信号の難傍受性が大きなメリットになります。

3,障害物が多く、干渉が頻繁に発生する通信環境

 UWBは広帯域通信によりマルチパス環境や反射への耐性が高いため、工場やビル内など複雑な環境でも安定した通信が可能です。

4,将来的な拡張性や他技術との連携を見据えた設計

 UWBはIEEE標準にも準拠しており、今後IoTプラットフォームやスマートシティとの連携を視野に入れた製品にも適しています。

このような高度な要件においては、多少の消費電力やコストを許容してでもUWBを選ぶ価値があります。

BLE+UWBのハイブリッド運用という選択肢

近年では、BLEとUWBを組み合わせたハイブリッド設計を採用する事例も増えています。これは、それぞれの通信技術の長所を補完的に活用するアプローチです。

1,アクティブ検知:BLE/高精度測位:UWB

 たとえば、BLEでデバイスの接近を検知し、UWBでピンポイントな位置測位を行うといった構成です。これにより、電力消費を最小限に抑えつつ、高精度な空間把握が可能になります。

2,ユーザー体験と精度の両立

 スマートフォンのBLE機能を使ってアプリと連携しながら、バックグラウンドでUWBによる位置測位や認証を行うことで、利便性とセキュリティを両立できます。

3,導入・設計の柔軟性向上

 BLEとUWBの両方に対応したSoCやモジュールも登場しており、初期段階ではBLEのみを有効にし、後からUWBを追加するなど、段階的な機能展開も可能です。

このように、用途やユーザー層に応じて両方式を柔軟に組み合わせることは、製品の差別化にも繋がる有効な戦略です。

まとめ|製品開発で失敗しないための選定ポイントリスト

BLEとUWBは、それぞれ異なる強みを持つ無線通信技術であり、開発条件や求めるユーザー体験によって適した選択肢は変わります。本章では、通信方式の選定で迷った際に役立つポイントリストを提示するとともに、モジュール導入や量産開発での注意点、技術支援の活用方法についても触れます。

BLEまたはUWBを選定するためのポイントリスト

以下のチェックリストは、開発初期段階での設計検討や技術選定に役立ちます。あくまで目安ではありますが、判断材料としてご活用ください。

◎:非常に適している
〇:条件によって適している
△:他方式の方が望ましい

開発要件・条件BLEUWB条件の補足(〇に関する具体条件)
小型デバイス/スペースに制約がある◎△ 
長時間バッテリー駆動が求められる◎△ 
スマートフォンと連携が必要◎○ (一部端末)UWB対応端末(例:iPhone 11以降)と組み合わせる場合
1m未満の高精度測位が必要△◎ 
屋内など障害物の多い環境で使用する△◎ 
セキュリティ性・精密な認証が必要○◎デバイスの接近・識別にBLEを併用することで簡易認証が可能な場合(例:スマートロック)
低価格での量産が求められる◎△ 
将来的に測位や制御の拡張を予定している○◎BLEベースでシンプルに始め、将来的にAoAや他技術と統合する計画がある場合
技術ドキュメントやサンプルが充実している◎○主要ベンダー(Qorvo、NXPなど)のSDKや開発環境を活用する場合

この表をもとに、「製品の特性」「運用環境」「ユーザーの操作性」などを考慮しながら、最適な通信技術を選定していくことが重要です。

モジュール選定・認証対応・量産時の注意点

通信方式を選定した後は、実際の製品に搭載するモジュールの選定と、量産に向けた認証取得・設計対応が必要です。

BLEの場合:市販モジュールの中には「技適取得済み」のものが多数あり、組込後の再認証が不要なものもあります。ファームウェア開発も豊富な開発環境が整備されているため、開発の立ち上げがスムーズです。

UWBの場合:UWBモジュールは電波出力やアンテナ設計の自由度が高い分、技適(TELEC)やFCCなどの電波認証の取得が必要になるケースが多く、事前の準備が不可欠です。また、正確な位置測位を実現するためには、システム全体での設計・調整が求められます。

いずれの方式を採用する場合でも、「開発初期段階からモジュールの仕様・認証対応を把握しておくこと」が、スムーズな開発と市場投入に直結します。

USEのUSE0Xシリーズや技術支援の活用

通信モジュールの選定や開発支援を検討する際には、製品性能だけでなく、技術サポートや認証対応のノウハウを提供できる信頼性の高いパートナーの存在が成功の鍵となります。

たとえば、ユーエスイーが提供するUSE0Xシリーズは、Bluetooth 5.0/5.1/5.2対応の高性能BLEモジュール群であり、超小型・低消費電力・マルチプロファイル対応といった特長を持ち、幅広い製品カテゴリに柔軟に対応可能な設計が施されています。

同シリーズには、ホスト側制御に対応した「HOSTシリーズ」と、マイコン内蔵でスタンドアロン動作が可能な「MCUシリーズ」があり、用途に応じて使い分けられるのが特長です。また、日本国内の技適認証を取得済みのため、製品組込時の認証手続きが不要なケースも多く、開発期間やコストの削減にも貢献します。

さらに、ユーエスイーでは、回路設計やファームウェア開発の支援、アンテナ設計アドバイス、アプリケーション連携支援など、開発初期から量産フェーズまでを一貫してサポートする体制を整えています。これにより、初めて無線通信機器を扱う開発チームでも安心して導入できる環境が提供されています。

「BLEにするか、UWBにするか」の通信方式の選定に加え、「その通信方式をどのように製品に落とし込むか」「開発リソースや期間、認証手続きをどう最適化するか」まで視野に入れた総合的な支援が、開発成功の重要なカギとなるでしょう。

おわりに

BLEとUWB、どちらも優れた無線通信技術であり、技術仕様・ユースケース・開発条件によって最適解は異なります。本記事を通じて、両方式の理解を深めると同時に、自社製品にとって最も合理的かつ競争力のある技術選定の一助となれば幸いです。


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