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Auracast Broadcastとは?BTA65X搭載するヘッドフォン(開発中)で実現する次世代オーディオ体験

2025年6月10日2025年6月11日
Auracast Bluetooth LC3 LE Audio

1. はじめに

オーディオ配信技術の進化とBluetooth LE Audioの登場

ワイヤレスオーディオ技術はこの10年で大きな進化を遂げ、音質の向上、通信の安定性、低遅延、省電力などの要件を満たす製品が次々と市場に登場しています。

その中でも注目を集めているのが「Bluetooth LE Audio」と、それを支える新たな音声コーデック「LC3」です。従来のBluetooth Audio(Bluetooth Classic)はペアリングを前提としていましたが、LE Audioの登場により接続方法と利用シーンが根本から変わりつつあります。

この技術革新の中心にあるのがAuracast Broadcastであり、オーディオ体験に大きな変化をもたらしています。

Auracast Broadcastの市場インパクト

Auracast Broadcastは、複数デバイスへの音声同時配信を可能にする新技術です。コンサート、会議、空港、フィットネスジムなどさまざまな場面で高音質・低遅延・低消費電力の音声伝達が可能です。対応製品と導入事例は急速に増加しており、公共施設やビジネスシーンでも新しいユーザー体験を提供する技術として注目されています。

2. Auracast Broadcastの仕組み

Auracast Broadcastとは?

Auracast Broadcastは、Bluetooth LE Audioに追加された革新的な音声配信機能です。
1台の送信デバイス(スマートフォン、送信機器など)から、不特定多数の受信デバイス(ヘッドフォン、イヤフォン、補聴器など)へリアルタイムで同時に音声をブロードキャスト(一斉送信)できます。

Bluetooth Classicでは、ペアリングが必須であり、複数デバイスとの接続には物理的・技術的な限界がありました。
Auracastはこの制約を解消し、「ペアリング不要」で放送型の音声配信を実現しています。

ユーザーはAuracast対応デバイス(例:BTA65X搭載ヘッドフォン)を使い、放送されている音声を一覧から選択というシンプルな操作で音声を受信できます。
このオープンな方式により、公共施設やイベントなど、ユーザー数が多い環境でもトラブルなく音声配信が行えるのが最大の特長です。

Bluetooth LE AudioとLC3コーデックの役割

Auracast Broadcastの技術的な基盤となっているのが、Bluetooth LE AudioとLC3(Low Complexity Communication Codec)です。

●Bluetooth LE Audioの特長

  • 低消費電力:Bluetooth Classic に比べて消費電力を大幅に削減
  • マルチストリーム対応:複数のオーディオストリームを独立かつ同期して管理可能
  • 高接続安定性:混雑した環境でも通信の安定性を維持

●LC3コーデックの特長

  • 高音質:従来のSBCコーデックと比較し、同等の音質を最大50%低いビットレートで実現
  • 省帯域:音声伝送に必要な帯域幅を削減し、多人数同時接続でも通信負荷を低減
  • 低遅延:映像と音声のズレ(リップ問題)を抑制し、動画視聴やライブ音声配信にも最適

これらの技術により、長時間のバッテリー駆動とクリアな音声再生を両立し、イベント会場や公共スペースといった大規模・高密度な配信環境でもストレスのないユーザー体験を提供します。

また、補聴器との連携や音声アクセシビリティ支援にも最適で、ユニバーサルデザインの実現にも貢献しています。

Auracastが可能にすること

Auracast Broadcastは、Bluetooth Classicでは対応不可能だったマス・オーディオ配信を実現しました。

●技術的に可能なこと

  • 数十〜数百台のデバイスへの同時配信
  • ペアリング、特別なアプリやID登録不要
  • 動的な音声配信チャンネルの選択(例:言語ごと)

●具体的な用途・シーン

  • イベント、映画館などでの多言語音声配信
  • 観光ガイド
  • スポーツ観戦
  • 教育現場

3. BTA65Xと開発中のヘッドフォンの対応と性能

BTA65X Bluetoothオーディオモジュールの主な性能

BTA65Xは、株式会社ユー・エス・イーが開発したBluetooth5.3対応オーディオモジュールです。以下の特徴を備えています。

  • Bluetooth 5.3準拠
  • LE AudioおよびLC3コーデック対応
  • Auracast Broadcast正式対応
  • SBC/AAC/LC3など複数コーデックサポート
  • BQB、TELEC、FCC、CE、ISEDの各種認証取得済み
  • OTA(Over The Air)によるファームウェア更新対応

これらの性能により、開発期間の短縮と高信頼性の製品化が可能です。

開発中のヘッドフォンにおけるBTA65Xの実装

USEが開発中のヘッドフォンは、BTA65Xモジュールを搭載し、最新のワイヤレスオーディオ機能を実現しています。本製品に実装されている主な機能と、それぞれの具体的な内容は以下の通りです。

●TWS(True Wireless Stereo)

完全ワイヤレスステレオ(TWS)は、左右のイヤフォンを物理的なケーブル接続なしで利用する方式です。
BTA65XのTWS機能により、左右独立接続でも音声の同期性と通信安定性を確保できます。

特にBluetooth5.3のマルチストリームオーディオ技術を活用し、左右チャンネル間の遅延(レイテンシ)を最小化します。
音楽視聴時の立体音場(ステレオイメージ)が自然で、映像音声とのズレも感じにくいのが特長です。

●Auracast Broadcast受信機能

Auracast Broadcastは1台の送信機から複数のヘッドフォンやイヤフォンに音声を一斉配信できる技術です。

●低遅延通信対応

Bluetooth LE Audioのマルチストリーム技術とLC3コーデックにより、従来のSBC/AAC方式に比べて大幅な遅延低減を達成しています。
これにより、映像と音声のずれ防止やライブ通話でのリアルタイム音声伝送が可能となり、ストレスのないリスニング体験を実現しています。

4. Auracastの主な活用シーン

Auracast BroadcastとBTA65X搭載のヘッドフォンの組み合わせは、従来のBluetooth製品では不可能だった多人数同時音声配信を実現します。

以下では複数の具体的な活用シーンを紹介します。

●イベント・スポーツスタジアム

試合会場やコンサートホールでは、多言語音声解説や同時通訳が求められます。
Auracastを活用すれば、送信機から多数の観客のヘッドフォンへリアルタイムで音声配信が可能です。

従来の赤外線/FMラジオ方式に比べ、

  • 音質の大幅向上(LC3コーデックによる)
  • 受信機(ヘッドフォン)への個別設定不要
  • 会場移動時も接続維持

といった利点があります。

スポーツファンやコンサート観客にパーソナライズされた音声解説を届け、多国籍イベントでもシームレスに通訳音声を提供できます。

●公共施設・交通機関

空港、鉄道駅、美術館などの公共施設では、多言語・難聴者支援が重要です。
Auracastを使えば、アナウンスやガイド音声をヘッドフォンへ直接配信可能です。

具体例:

  • 空港:ゲート変更や遅延情報を複数言語で即時配信
  • 鉄道駅:聴覚障がい者向けに明瞭な案内放送
  • 美術館:音声ガイドを利用者の母国語で提供旅行者や視覚・聴覚に不安のある利用者にも快適でわかりやすい音声体験を実現します。

●教育・セミナー

大学の大講義室、セミナー、研修施設では、マイク音声をAuracast経由で参加者のヘッドフォンへ直接配信します。

メリット:

  • 大規模教室でも全員にクリアな音声を届けられる
  • 騒音の多い会場や、聴覚障がいを持つ学生にも有用
  • グループ分けで複数チャンネルの配信(例:日本語、英語)

これにより、教育の質の向上と多様な学習者への対応が可能です。

●ビジネス会議・観光ツアー

国際会議や多国籍のビジネスイベントでは、リアルタイム通訳音声をAuracastで複数言語配信します。
参加者はヘッドフォンを通じて選択した言語で情報を受信できます。
また、観光ツアーでもガイド音声を参加者全員に届けられます。

  • 移動中も接続の切断なし
  • 音声ガイドが多言語同時配信可能
  • 屋外でも高音質で安定した通信

従来の無線ガイドシステムよりも柔軟で、高度なサービス提供が可能です。

●映画館・劇場での多言語音声配信

映画館、劇場では、字幕音声やナレーションをAuracastで配信します。

  • 外国語話者向けに複数言語の音声ガイド
  • 視覚障がい者向けにナレーション音声
  • 特定の観客のみが個別に受信設定可能

従来の赤外線送信機器やFM受信機に比べ、クリアな音質と高い利便性を実現できます。観客のバリアフリー体験と多様な観客層への対応を可能にします。

●フィットネス・スポーツジム

フィットネスクラスやスポーツジムでは、インストラクターの音声ガイドやトレーニング用音楽を参加者のヘッドフォンに配信します。

活用例:

  • グループクラスで、異なるレベルのプログラムを個別音声で配信
  • 音楽とインストラクションを同時伝送
  • 騒音の多い環境でもクリアな音声を提供

特に屋外フィットネスや大規模ジムでは、Auracastの放送型通信が従来のBluetoothやスピーカー方式より優れた柔軟性と利便性を提供します。

以上説明してきた6つの活用シーンは、個人利用と業務利用の両方に対応し、ヘッドフォンの市場適用範囲の広さとAuracast Broadcastの技術的価値を裏付けています。

5. まとめ

Auracast Broadcastは、オーディオ配信の世界を根本から変える革新的技術です。
BTA65Xとヘッドフォンは、その技術を現実の製品として体現し、高音質、省電力、多用途という価値を提供しています。

オーディオ配信技術の次世代をリードするUSE Inc.は、Auracast対応の製品開発や導入を検討する企業・団体に対し、技術的支援とODM開発サービスを提供しています。早期相談により、製品化のスピードと品質を両立できます。

ご興味のある方は、ぜひ株式会社ユー・エス・イー(USE Inc.)までお問い合わせください。

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